書籍

松浦 弥太郎「くちぶえカタログ」
くちぶえカタログ
松浦 弥太郎
Yataro Matsuura "kuchibue catalogue"
2005-01-21
ISBN: 4-86020-118-3
¥1,680
BOOK A5変型横(152mm×225mm) 144ページ
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装幀:立花文穂

松浦弥太郎が、身の回りの「モノ」へ限りない愛情を注いで書き下ろした六〇篇の珠玉エッセイ集!
【衣】501/バブアーとコーヒーボトル/ブラックウォッチ/ボタンダウンほか
【食】Dean& Deluca/パンケーキ/ラッセルライト/関口ベーカリーのパンほか
【暮】AURATONE/Magic Soaps/ギター/キルト/ローズマリー/車ほか
【職】Noodler's Ink/あけびの籠/えんぴつ/カメラ/スケジュール帳ほか
【本】ON THE ROAD/オキーフの家/ロバートフランクとブローティガンほか
【旅】HOTEL/ターコイズリング/トートバッグ/旅先で見た町のはなし……
写真と文章を別々の特色で印刷。章ごとに色の組み合わせが変わります(全十二色)。

はじめに
ここ一年くらい前から物を買わなくなりました。
買い物は楽しみのひとつと知っていましたが、いつの日からかそう思わなくなったのです。特に衣食住の衣については一年以上何ひとつ買っていません。そんな風に物を買わなくなり今のところ何ひとつ不便はありません。却って本当に必要な物にしか愛情が湧かなくなり、身の回りを気前よく処分して気分は清々としています。
少し考えてみればそのわけは簡単に見えてきます。今は自然災害、テロ、事件、政治への不信感、景気の不安定といった事が渦巻く毎日です。明日は何が起こるかわかりません。そんな暮しの中、無闇に成長する経済に乗っかり、流行に目をつけ、自分だけ何かを所有したり、自分だけ豊かになることは、いかに寂しく果無いと思うのは人として当たり前と思うのです。 〈中略〉
では自分たちを自立させ美しく健全にするものは何なのでしょう。心の内から自然と湧いてくるのは「簡素に生きたい」という精神です。繁栄、快楽、永遠の進歩を夢見る時代はもう終わっています。簡素さとは軽やかで気楽で整然とし愛情を表現できることです。それはバランス、調和、謙虚さを持って、生きとし生けるものの良き隣人になるということです。この本に書いた文章はそのはじめの一歩と考えています。(著者まえがきより)