書籍

松浦 弥太郎「場所はいつも旅先だった」
場所はいつも旅先だった
松浦 弥太郎
Yataro Matsuura "Basho Ha Itsumo Tabisakidatta"
2009-03-20
ISBN: 978-4-86020-217-0
¥1,680
BOOK 四六 144ページ
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お詫びと訂正

『場所はいつも旅先だった』に誤植がありましたので、ここに訂正し、お詫び申し上げます。

7ページ6行目「応える」→「応える。」
41ページ1行目「いるたら」→「いたら」
44ページ12行目「欠伸をが」→「欠伸が」
53ページ12行目「踏み入れたののは」→「踏み入れたのは」
55ページ7行目「窓から下と覗くと」→「窓から下を覗くと」
57ページ13行目「ホテルのが」→「ホテルの」
93ページ17行目「ワシンントン」→「ワシントン」
118ページ12行目「前」→「まえ」
119ページ最後の行「言われればく」→「言われれば」
127ページ9行目:「せひ行きたい」→「ぜひ行きたい」
162ページ7行目「意外」→「以外」
176ページ最後の行「前」→「まえ」
193ページ12行目「見つめがら」→「見つめながら」

読者の皆様および関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことを謹んでお詫び申し上げます。
書籍制作は著者以外にも多くの人間が関わっており、どんなに注意していても少なからず誤植やミスが生じることがございます。
出版物という形態上、すぐに現存するものを訂正することはできず、最も早い訂正は、増刷分からとなってしまいます。
ここに誤植を公開いたしますので、ご参考にしていただけると助かります。
今後はこのようなことのありませんよう誠心誠意努力してまいります。
これからもブルース・インターアクションズの書籍をご愛顧くださいますようお願い申し上げます。
 ブルース・インターアクションズ編集部
 

『暮しの手帖』編集長、松浦弥太郎の自伝的エッセイ50編。
18歳の秋、初めてサンフランシスコを旅した時、僕は何を求めていたのか。
「どうして旅に出たいの?」両親の疑問に、少年が言えなかった答えは……
人生の旅人たちに贈る珠玉の一冊。

■目次

母のこと
ヨーヨーの誘拐事件
カメラ屋で出会った老人の話
ロンドンのおいしい店
眠れない夜に出会った美しい二人
マルセイユの旅人
まるで映画や小説のような
テンダーロインのヴェローナ・ホテル
パリ、セーヌ河で釣りを
京都で僕は寝ているだけだった
雨の中で触れたやわらかさ
ニューヨークでクリスマス
美しいとはなにか……

【ちょっと立ち読み】
しばらく外国に行くと告げると、母は「あら、そう」とそっけなく答えた。外国がどこの国で、どこの町に行くかとは聞かなかった。来週早々に出発すると言うと、「あら、そう」と同じようにつぶやいた。
それきりだった。僕と母は仲が悪いわけではないが、親密かというとそうでもなかった。
幼い頃から両親は共働きだったため、早いうちから精神的に自立していた僕は、何かを決めることで両親に相談したことは一度もなかった。
決めたことは、いつも事後報告か、その寸前に知らせるのが普通だった。
ニューヨークではじめて過ごした冬は、何十年かぶりの大雪が降り、毎日が零下の寒さだった。
携帯電話など無い時代だったから、泊まっているホテルの住所と電話番号だけは母に伝えていた。
頼まれてそうしたのではなく、せめてそのくらいはしておかないと思ったからだ。
正直いうと、そんなことで旅の不安を少しでも和らげたかったのかもしれない。
日本を離れて二カ月経ったある日の午後、僕は風邪を引いてしまい部屋で寝込んでいると、ドアをノックする音がした。開けるとホテルの従業員が「電話がかかっている」と教えてくれた。
部屋に電話がないため、外からの電話はすべてフロントを通す。ギシギシを音をたてながら動くおんぼろエレベーターで下へ降りて、フロントの受話器を取った。電話をかけてきたのは母だった……
(「母のこと」より抜粋)